製品

結晶偏光子

当社では、各種の結晶製偏光子を製作しています。偏光子に用いられる結晶は複屈折性を持ち、結晶に入射する光線の偏光方向により屈折率が異なります。この特性を利用し、古くから多種の偏光子が考案されています。一般に消光比が高く、高透過率で透過波長帯域が広いという特徴があります。特に消光比は一般に50dB(100000:1)程度の高い消光比が得られます。

結晶偏光子の主な分類

全反射型

偏光方向による全反射角の違いを利用した偏光子です。
片方の偏光が全反射するため原理的に高い消光比が得られる構造です。

<全反射型の各種構造>

  • グラントムソンプリズム
  • グランテーラープリズム
  • グランレーザープリズム etc.

偏光分離型

偏光方向による屈折角の違いを利用した偏光子です。分けた偏光を両方使用する等の場合に利用されます。
透過した各々の偏光の消光比は高い消光比を持ちます。

<偏光分離型の各種構造>

  • ウォーラストンプリズム
  • ローションプリズム
  • サヴァール板
  • 偏光分離板
  • ノマルスキープリズム etc.

結晶製の偏光子は、大別すると上記の2種の方式に分けられ、各種の方式があります。当社では、各種方式の偏光子をご要望に応じ、設計から製作まで行います。
素材については、方解石はもちろんの事、YVO4、Li2B4O7、TiO2など各種の素材での製作が可能です。方解石に関しては、良質の素材を数多く在庫しております。
また、ホルダーや、ARコートなどにつきましても、ご要望に応じ一個から製作いたします。

グラントムソンプリズム
Glan-Thompson Prism

最も一般的な結晶製の偏光子です。視野角が広く使用可能波長帯域が広いことが特徴です。
ロングタイプ、ショートタイプなどご要望に合わせて設計・製作いたします。
プリズム同士を接着剤で接合しますので出力の高いレーザーや深紫外波長用等には不向きです。
深紫外領域用には当社製品のDUVグラントムソンプリズムを推奨いたします。

グランテーラー、グランレーザープリズム
Glan Taylor Prism、Glan Laser Prism


二つのプリズム間をエアギャップとした全反射型の偏光子です。光路に接着剤が無いため、素材を選ぶことで紫外領域まで透過する偏光子となります。
また、出力の高いレーザー用には、側面から、全反射した光を素子外部に出射できる構造とした、グランレーザー構造が適しています。
また、視野角の広いダブルグランテーラー構造も製作可能です。

ウォーラストンプリズム
Wollaston Prism

偏光分離型の偏光子の中で最も大きな分離角が得られる構造です。大きな分離角が必要な場合に適しています。
両光路がほぼ同じ角度で屈折します。
両光路が屈折しますので回転させてご使用の用途には不向きです。

ローションプリズム
Rochon Prism

片方の直線偏光が直進するタイプの偏光分離型の偏光子です。素子を回転して使用する場合に適しています。
紫外光用にオプティカルコンタクトタイプのMgF2製ローションプリズムを推奨いたします。

偏光分離板
Polarization Beam Displacer

直交する偏光を平行な光路に二つに分離する素子です。
分離幅は分離板の厚さに比例し、方解石の場合、厚さの約1/10の距離に分離します。
片側の光路は、垂直入射では光路ずれがありません。

サヴァール板
Savart plate

偏光分離板を2枚組み合わせた構造です。
平行に分離した二つの偏光の光路長が同一になるように工夫された素子です。

ノマルスキープリズム
Nomarski Prism

微分干渉顕微鏡に用いられる偏光プリズムです。
分離した偏光がプリズム外部で再度交差するように設計されます。
光線の交差面、光線の分離角等の仕様からご使用の光学系に合わせた設計、製作を行います。

高品質方解石

結晶製の偏光子材料として最も一般的な素材が方解石(CaCO3)結晶です。
天然石であるため近年、良質な素材が減少しておりますが、当社では厳選した高品質の方解石を数多く在庫しています。
結晶内部の異物、歪、素材消光比、透過率等の評価を行い、評価データと共に在庫しておりますので、ご使用の用途に合わせた良質の方解石で偏光子を製作することが可能です。

方解石素材内部散乱の様子

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